偽婚約者の恋心~恋人のフリが本気で溺愛されています~
蓮サイド
蓮サイド

俺は彼女の純粋な警戒心の無さに根負けし、同じベッドで寝ることになった。

俺は今、彼女をベッドで抱きしめている。

無防備に横になる彼女に触れたくて、我慢出来ずに聞いてみた。まさかOKをもらえるとは思わなかった。

暗闇の中、彼女の白く柔らかい肌が俺の腕の中にある。

華奢な身体は柔らかく、壊さないよう、優しく抱きしめる。

彼女の放つ石鹸の香りに、
俺の理性は限界にきている。

彼女の白い肌に直接触れたい。

この生殺し状態はかなりきつい。

生き地獄だ。

彼女は俺を完全に信用しきっている。
彼女が発した、「信じます」という言葉が、
俺の強力な足枷となっている。
彼女を裏切るわけにはいかない。
俺は彼女を大事にしたい。
このまま抱きたくなる衝動を理性で必死に抑える。
ここで、彼女を抱いてしまったら、今まで築き上げてきた彼女からの信頼を失ってしまう。

彼女を抱くのは、ちゃんと恋人になってからと決めている。

こんな状態では、今夜は一睡も出来そうにない。
朝にベッドに戻ろう。
そう考え、
俺は彼女が完全に眠ったのを確認すると、静かにベッドを出て、ソファで眠った。





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