偽婚約者の恋心~恋人のフリが本気で溺愛されています~
忍び寄る恐怖
開店すると同時に、藤原さんが来店してきた。
緊張が走る。

「いらっしゃいませ…。」

「沢ちゃん、大事な話があるから、今晩あけとといて」

「藤原様、申し訳ありませんが・・・」

と言いかけると、

「他社に乗り換えてもいいの?」

「・・・分かりました。5分だけなら。」

藤原さんは満面の笑みで

「分かってくれて嬉しいよ。じゃ、仕事が終わったらここに来て。」

と、メモとカードを渡された。

メモを開くと、

ベリーヒルズホテル 505号室

と書かれてあった。一緒に渡されたカードは、ホテルのカードキーだった。私が顔を上げると既に藤原さんは姿を消していた。
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