偽婚約者の恋心~恋人のフリが本気で溺愛されています~
直感で何かあったと思い、デスクの受話器を取り、俺の優秀な秘書を呼ぶ。

コンコンコン

「失礼します。」

優秀な秘書が入ってきた。体格は細身だが、仕事は完璧、いつもしっかりしていて、どんな時でも冷静沈着なとても頼りになる男だ。


「副社長、お呼びでしょうか?」


「7階の旅行会社に連絡して、沢渡風乃さんが今どこにいるか確認してくれ!それと、藤原コーポレーションの副社長の所在確認も!」

「かしこまりました。」



数分後

「副社長、確認が取れました!
藤原コーポレーションの副社長は、今日は早退しております。沢渡風乃さんは、18時10分に退社し、ベリーヒルズホテルに向かわれたようです。」

「すぐホテルに連絡して、予約者リストを確認してくれ!」

「ヒルズグループのホテルですので、すでに確認致しました。
藤原さんのお名前で、505号室に予約が入っております。」

「相変わらず仕事が早いな!
18時10分以降のホテルの防犯カメラをチェックしてくれ!それと、505号室の隣の部屋に第二秘書を二人待機させてくれ!あと、防犯カメラのモニターを常に監視して動きがあればすぐに俺に連絡するように!」

「かしこまりました。」

秘書に指示を出すと、
俺はすぐに自分の携帯を取り出し、幼馴染みで友人の刑事をやっている権藤に連絡する。

「もしもし!権藤!すぐに俺のオフィスまで来てくれ!!」

「人使いが荒いなぁ。今日は非番なんだけど。」

「いいから!来てくれ!緊急事態だ!前に相談したストーカーの件だ!」

「分かった。すぐ行く。」
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