偽婚約者の恋心~恋人のフリが本気で溺愛されています~
映像が終わると同時にデスクの電話が鳴る。

受付からの電話で、

「権藤様がいらっしゃっております。」

「すぐに通してくれ!」

早く、時間がない!彼女が危ない!!

俺の焦りに気づいたのか、

秘書が、

「権藤様のお迎えに行って参ります。」

と言った。俺は間髪入れずに、

「頼む!」

と言った。

防犯カメラの映像で、彼女が非常に危険な状態であると分かると、さらに気持ちが焦る。


ノック無しに、副社長室に権藤が入ってきた。

権藤は入ってくるなり、

「移動中に、秘書から大体聞いたよ。防犯カメラの映像を見せてくれ。」

俺は頷いて、ノートパソコンを権藤に見えるように動かした。

再び再生させる。

映像が流れる。

権藤は映像の右上に表示される時間を確認してから、自分の腕時計を確認した。

「拉致されてから40分か。よし、すぐ突入するぞ!」

権藤はそう言うと、秘書の方を向き、

「ホテルの制服を貸してくれ。」

と、言い、

「財前!お前も来るよな!」

「もちろん!」

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