嘘吐きな王子様は苦くて甘い
前橋さんは一緒驚いた顔をした後、すぐに心配するような瞳を私に向けた。
「大丈夫だった!?」
「うん、もうなんともないよ」
「そっか、なら良かった」
ホッとした表情を見せる彼女に、私はペコリと頭を下げる。
「この前は知らせてくれてありがとう、前橋さん」
「ううん、私が伝えたせいであんなことに…」
クシャッと表情を歪ませる前橋さんに、私は思わず彼女ね腕に触れた。
「違うよ、それは違う!私ホントに感謝しかしてないよ!前橋さんが教えてくれなきゃ、もしかしたら石原君や他の人がケガしてたかもしれないし、そんなことになったら私凄く後悔したと思うから!だからホントにありがとう前橋さん」
私の勢いにちょっとビックリして、それから柔らかく笑う。
「大倉さんって、凄い人だよね」
「え?」
「真っ直ぐで、カッコいい」
「そ、そんな…」
急に褒められて、どんな反応したらいいのか分からなくて頭をかいた。
「あ、そういえばウチのクラスに用あるんだよね?石原君?呼ぼうか?」
「あ、ううん。石原君じゃなくて…」
こそっと耳打ちすると、前橋さんが驚いた表情で私を見た。
「呼んでもらえると凄く助かるんだけど…」
「それはいいけど…大丈夫なの?私も一緒にいようか?」
「ありがとう、でも大丈夫。私一人でちゃんと話したいから」
「…」
前橋さんは少し黙って、それからギュッと私の手を握った。
「大倉さんなら大丈夫!頑張って」
「うん、ありがとう!」
菫ちゃんと風夏ちゃんからもらった勇気の上に、前橋さんが更に足してくれた。
私は絶対、大丈夫だ!
「何?文句言いにきたの?」
誰もいない体育館の裏の小さな場所で、二人はあからさまに私を睨む。
正直、怖い。だけど自分で決めたことだから、どんな結果になってもちゃんと最後まで話そう。
「うん、そうだよ」
「やっぱりね。いい子そうなフリしてさ」
「噂、流したよね?」
「ウチらちゃんと言ったよ?流してやるってさ」
「でも、こんな風になるとは思ってなかったんじゃない?」
私の言葉に、二人は眉間にシワを作る。
「私じゃなくて、石原君の方が悪く言われてる」
「それは…」
「文句言いたいのは、私のことじゃなくて石原君が嫌な思いしてるってことについてだよ」
「…」
「それから、お願いしたいこともあるの」
二人が顔を見合わせる。予想外の言葉に戸惑ってる様子だ。
「一緒に、広まってる噂を訂正してほしい」
「は、はぁ?」
「私のこと良く言ったりしなくていいから、石原君があの変な遊びに参加してたってところを否定してほしいの。私の友達もしてくれてるけど、二人が手伝ってくれたらもっと早く誤解が解けると思う」
「…」
「私は、あんまり知り合いが多くないから。それに私から言っても庇ってると思われてあんまり聞いてもらえなくて」
黙ってる二人に、私は真っ直ぐに頭を下げた。
「お願いします、協力してください」
そう言った私の頭上に降ってきたのは、小さな溜息。思わず心臓がドクンと跳ねる。
ダメ、だったかな…
「大丈夫だった!?」
「うん、もうなんともないよ」
「そっか、なら良かった」
ホッとした表情を見せる彼女に、私はペコリと頭を下げる。
「この前は知らせてくれてありがとう、前橋さん」
「ううん、私が伝えたせいであんなことに…」
クシャッと表情を歪ませる前橋さんに、私は思わず彼女ね腕に触れた。
「違うよ、それは違う!私ホントに感謝しかしてないよ!前橋さんが教えてくれなきゃ、もしかしたら石原君や他の人がケガしてたかもしれないし、そんなことになったら私凄く後悔したと思うから!だからホントにありがとう前橋さん」
私の勢いにちょっとビックリして、それから柔らかく笑う。
「大倉さんって、凄い人だよね」
「え?」
「真っ直ぐで、カッコいい」
「そ、そんな…」
急に褒められて、どんな反応したらいいのか分からなくて頭をかいた。
「あ、そういえばウチのクラスに用あるんだよね?石原君?呼ぼうか?」
「あ、ううん。石原君じゃなくて…」
こそっと耳打ちすると、前橋さんが驚いた表情で私を見た。
「呼んでもらえると凄く助かるんだけど…」
「それはいいけど…大丈夫なの?私も一緒にいようか?」
「ありがとう、でも大丈夫。私一人でちゃんと話したいから」
「…」
前橋さんは少し黙って、それからギュッと私の手を握った。
「大倉さんなら大丈夫!頑張って」
「うん、ありがとう!」
菫ちゃんと風夏ちゃんからもらった勇気の上に、前橋さんが更に足してくれた。
私は絶対、大丈夫だ!
「何?文句言いにきたの?」
誰もいない体育館の裏の小さな場所で、二人はあからさまに私を睨む。
正直、怖い。だけど自分で決めたことだから、どんな結果になってもちゃんと最後まで話そう。
「うん、そうだよ」
「やっぱりね。いい子そうなフリしてさ」
「噂、流したよね?」
「ウチらちゃんと言ったよ?流してやるってさ」
「でも、こんな風になるとは思ってなかったんじゃない?」
私の言葉に、二人は眉間にシワを作る。
「私じゃなくて、石原君の方が悪く言われてる」
「それは…」
「文句言いたいのは、私のことじゃなくて石原君が嫌な思いしてるってことについてだよ」
「…」
「それから、お願いしたいこともあるの」
二人が顔を見合わせる。予想外の言葉に戸惑ってる様子だ。
「一緒に、広まってる噂を訂正してほしい」
「は、はぁ?」
「私のこと良く言ったりしなくていいから、石原君があの変な遊びに参加してたってところを否定してほしいの。私の友達もしてくれてるけど、二人が手伝ってくれたらもっと早く誤解が解けると思う」
「…」
「私は、あんまり知り合いが多くないから。それに私から言っても庇ってると思われてあんまり聞いてもらえなくて」
黙ってる二人に、私は真っ直ぐに頭を下げた。
「お願いします、協力してください」
そう言った私の頭上に降ってきたのは、小さな溜息。思わず心臓がドクンと跳ねる。
ダメ、だったかな…