黒翼の淡恋
「と、お前が嫌われている理由がわかったか」

認めたくない思いでいっぱいだったが、ティファは素直に頷いた。


「わかった気がします。きっと、死んでいった人たちは・・」

ティファは言いかけてやめた。


「なんだ?」


_嫌われていたから、嫌うしかなかった・・その可能性もあると思う。


「なんでもありません」


数百年もの間、どんな事があったのかはわからない。

本当に悪い人もいたかもしれない。

だけど、言い伝えだけで罪のない人も殺されている。

黒髪だというだけで。

私はそれが許せない。


「私は・・あなたたちと同じ、人間です」


「・・・」


「無礼者。身分を___」


「フォルト、言わなくてもわかっている。この女はどうやら馬鹿ではない・・かもしれない」


_かもしれないって、酷い。


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