黒翼の淡恋
廊下の奥の方から数人の足音が段々と近づいてきた。

ガチャ・・キイ・・


鉄のこすれる音がして扉が開く。

そして数人の男達が部屋の中に入ってきた。

少女は咄嗟に後ずさった。

これから一体何が始まるのか、恐怖で体を強張らせた。


コツ・・

一歩前に踏み出したのは、純白の衣服を身に纏った男だった。

鋭い目つきは生まれつきなのだろうか。

彼女を見透かす様にジッと見つめている。


「いけませんシリウス様、我々が確認しますので」

「いい、下がれ」


そう言って男は彼女の前にしゃがんだ。


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