黒翼の淡恋
「地域によっては見つかり次第お前は処刑されるだろう。今生きていられるのはたまたま運が良かっただけだ」


「!?」


彼女は愕然とした。


_処刑って・・私は何か罪を犯したの!?一体何を?



思いつめながらそんな事を考えていると、シリウスという男は再び鋭い目つきで彼女を見下した。


「何を隠しているのかは知らんが・・まあ、いい。今日はこれで終わりだ」


と後ろを向いたので、思わず彼女はシリウスのマントを掴んでしまった。


「ま、待ってください!教えてください!何故私はここに居るんですか?何故__」


「無礼者!下がれ!」



彼女の手を兵士が持っていた槍で弾いた。


「痛っ・・」


痛む手を抑え、呻く彼女にシリウスが最後に一言放った。


「真夜中に城の前に倒れていた。俺が知るのはそれだけだ」


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