黒翼の淡恋
用意されていた服は普段来ている服よりも着心地が良く動きやすいものだった。
白とレモン色のミニドレス。
それとなくついているレースが女性らしさを引き立てる。
「可愛い・・ですね」
「そうでしょう。シリウス様がお選びになりましたのよ」
「シリウス皇子が?」
「紅も薄く塗りましょう」
慣れた手つきで口紅を塗ってくれた。
_この人は私を嫌がらない?怖くないの?
「あ、ありがとうございます」
「はい。どういたしまして」
「あの、私が怖くないんですか?」
女性は一度キョトンとした顔でティファを見つめたが、そのあとはいつもの笑顔に戻った。
「はい。ちっとも。私には可愛らしい女性にしか見えません」
「・・うそ・・そんなの」
「え?どうしてです?」
「だって、みんな・・・怖がる・・怯える・・この黒髪のせいで・・」
折角櫛で綺麗にしてもらったというのに、手で鷲掴みしてしまった。
ティファは怯える様に顔をしかめた。
「確かに、そう思っている人もいるでしょう。でも私は違いますよ。ティファ。見た目ではない。心を見ているのです」
「ココロ・・」
ハッとした。
侍女の言葉の重みが心に刺さった。
説得力のある声だった。
嬉しさで体が震えた。
「あ、ありがとう・・」
「何が起こるかなんて、未来での事。そんな事に怯えて過ごすよりも、今を楽しく生きた方が楽しいですからね。その髪に、このドレス・・とてもお似合いですよ」
「は、はい」
_確かに言う通りだ。私は私だ。記憶はないけど、黒髪だけど・・でも、皆の敵じゃない。今も、これからもそうでありたい・・。
涙が浮かんできたので、すぐに我慢した。
嬉し涙も入り混じっていたかもしれない。
自分を理解してくれた人に初めて出会えたのだ。
白とレモン色のミニドレス。
それとなくついているレースが女性らしさを引き立てる。
「可愛い・・ですね」
「そうでしょう。シリウス様がお選びになりましたのよ」
「シリウス皇子が?」
「紅も薄く塗りましょう」
慣れた手つきで口紅を塗ってくれた。
_この人は私を嫌がらない?怖くないの?
「あ、ありがとうございます」
「はい。どういたしまして」
「あの、私が怖くないんですか?」
女性は一度キョトンとした顔でティファを見つめたが、そのあとはいつもの笑顔に戻った。
「はい。ちっとも。私には可愛らしい女性にしか見えません」
「・・うそ・・そんなの」
「え?どうしてです?」
「だって、みんな・・・怖がる・・怯える・・この黒髪のせいで・・」
折角櫛で綺麗にしてもらったというのに、手で鷲掴みしてしまった。
ティファは怯える様に顔をしかめた。
「確かに、そう思っている人もいるでしょう。でも私は違いますよ。ティファ。見た目ではない。心を見ているのです」
「ココロ・・」
ハッとした。
侍女の言葉の重みが心に刺さった。
説得力のある声だった。
嬉しさで体が震えた。
「あ、ありがとう・・」
「何が起こるかなんて、未来での事。そんな事に怯えて過ごすよりも、今を楽しく生きた方が楽しいですからね。その髪に、このドレス・・とてもお似合いですよ」
「は、はい」
_確かに言う通りだ。私は私だ。記憶はないけど、黒髪だけど・・でも、皆の敵じゃない。今も、これからもそうでありたい・・。
涙が浮かんできたので、すぐに我慢した。
嬉し涙も入り混じっていたかもしれない。
自分を理解してくれた人に初めて出会えたのだ。