黒翼の淡恋
「んえ・・?」


二時間後、寝ぼけながらティファは目を擦る。


ドキン


隣にはシリウスの姿があった。

無防備に眠っている。

ティファの頭にはシリウスの大きな手が被さっていた。

恐らく髪を撫でながら自分も寝落ちをしたのだろう。


_シリウス皇子・・。


ドキン



ドキン



ドキン



手から体温が伝わってくる。

それはとても暖かく、太陽の様だった。



トクン。


ティファは初めての感覚に陥った。

ぎゅっと胸が切なく苦しい。

見つめていると、きゅーっと内から熱い何かが湧き上がってくる。

自然と体も火照り出す。

何より、心が幸せで溢れた。



_これは一体・・?


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