独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい
あんな夜を過ごしたあとに、明るい日差しの中で見つめられるのは、すごく恥ずかしい。
「俺の気も知らないで、無防備に俺の隣で眠る由莉奈にお灸を据えるだけのつもりだった。どうも由莉奈の前では、紳士でいるのが難しいみたいだ」
思わぬ告白を聞き、目を丸くする。
「じゃその前の夜は狸寝入り……」
見上げようと顔を僅かに上げた隙をついて、唇が奪われる。
たちまち恥ずかしくなって、また顔を埋めると「フフッ」と堪えきれない笑い声が聞こえる。
「ほら。顔を見せて。由莉奈が傍にいると、俺も実感したい」
甘く囁かれ、おずおずと顔を上げる。見つめられる瞳は優しく細められ、キスが降ってくる。
「おはよう」
「おはようございます」
優しい笑みが、なにかを企む顔に変化していく。唇を悪戯に舐められ、背中に甘い痺れが走る。
「今日は由莉奈の家に、挨拶に行こう」
そう言いつつも手は体に回され、甘い吐息を漏らす。
「挨拶なんてしなくていいです」
どうにかそれだけ訴えたが、快楽に押し流され、再び海斗さんの体にしがみついた。