独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい

 外国の人で、初めて和菓子に触れる人こそ、正式な作法に体感してほしいと、茶道の先生にそのような場を設けられないか相談。

 参加する側の人は着物を着られた方がいいのか、その場合の着物の入手場所。

 その度にリチャードさんとも、何度もメールで打ち合わせを重ねる。

 打ち合わせが進むにつれ、リチャードさんは茶会をどのように開くのか希望を口にした。

〈本心はパーティーで茶会を開きたいです。諦めていません。パーティーの中の催し物のひとつとして、希望者に茶会を体験してもらうのはどうでしょう〉

『実現させたいのに、できない。もどかしいね』

 海斗さんに言われた言葉が、頭を巡る。

〈少し考えさせてもらえませんか〉

 どうしたら、もっと和菓子の良さを広められるのか。普段から親しんでもらえる、なにか……。
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