独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい

 素晴らしい手際の良さで、私の身なりはパーティーに参加する側の人物へと変化させられた。

 このまま部屋にいるわけにもいかず、おずおずと扉を開けると、壁に背を預けていた海斗さんが顔を上げ、目を丸くする。

「これは困ったな。想像以上だ。二人でこのまま、パーティーを抜け出してしまいたいくらいだ」

「その意見には賛成したいですが、海斗さんは参加されないとダメですよ」

「由莉奈と愛し合う以上に、大切な用事なんてないだろう?」

 体に腕を回され、見つめ合ったまま腰に手を回される。

「あの、パーティー……。んっ」

 唇を奪われ、言葉を続けられない。

「まずいな。本格的に離したくなくなってくる」

「海斗さん! そんなこと言っている場合では!」

 妖艶な眼差しに見つめられ、逃れられない。

「業務提携の発表だけだ。俺たちが少しくらいいなくたって、誰も気に留めないよ」
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