独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい
司会者のアナウンスは続く。
「本格的なお抹茶をいただける席を、奥にご用意しております。茶道に一度触れてみたい方は是非、ご参加ください」
奥の一角に段差を設け、畳を準備してもらった。そこに茶道の先生をお招きして、お茶を点てる。
まだ、始まってはいないけれど、物珍しいのか、周りには人集りが出来始めている。
「また、和菓子をもっと身近に感じていただきたいと、手軽に食べられる提案をいくつかご用意しております。コーヒーに合う和菓子や、お酒に合う和菓子の紹介もございます」
お抹茶でいただく和菓子は格別だ。けれどどうしても、敷居が高く思われがちで。私だって、普段からお茶を点てて飲んでいるわけじゃない。
茶道の観点から見れば邪道なのかもしれないが、和菓子はコーヒーにも合うし、お酒に合うものもある。
話題の種になって、食べるきっかけに繋がればと途中から、方向転換を決めた。