独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい
次第に食事をひと通り終えた人々が、デザートテーブルまで足を伸ばし始める。
「これ綺麗ね」
「こちらは百花繚乱という練り切りです。中にこし餡、外の花びらは職人がハサミでひとつひとつ入れています」
「食べるのがもったいないくらい」
本当に美しい。小さな練り切りに、花がいくつも咲いているようにハサミが入っている。生地の色合いも淡いグラデーションになっており、まさに百花繚乱。
いくつかの和菓子をお皿に乗せながら、顔を綻ばせていく。その姿を見ているだけで、こちらも幸せな気持ちになる。