独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい
彼が通路の角まで行き見えなくなってから、未だ納得していない様子で言う。
「警察に突き出した方が、良かったんじゃないのか?」
私を抱きしめる海斗さんに、フルフルと首を横に振る。
「やっぱり殴ってやれば良かった」
海斗さんは怒りを露わにし、それからため息を吐く。
「ひとりにしてすまなかった」
眉を八の字にさせ、うなだれる。自分を責めている様子に、申し訳なくなる。
「海斗さんが悪いわけじゃありません。それに、私も反撃したので、その上殴ったら、さすがに過剰防衛では」