独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい
それから手を引かれ、寝室に向かう。
ベッドに入ると、否が応でも胸が騒がしくなる。
ここ数日、パーティーの準備に忙しく、恋人らしい触れ合いは皆無に等しい。
そっと触れる唇から、吐息が漏れる。角度を変え、何度も重なる唇は次第に深くなり、お互いを確かめるように絡み合う。
指先は体の線をなぞり、堪らず嬌声をあげる。過ぎる官能を必死に散らし、海斗さんの体にしがみつく。
与えられる刺激に、ぞくぞくと背すじに甘い痺れが走る。身を捩り、情欲に溺れていく。
「由莉奈、愛してる」
甘い囁きのあと体の奥まで押し入られ、腰が振れる。熱く疼いて、止め方がわからない。
「ヤダ。怖い」
自分が自分でなくなってしまいそうで泣き言をいうと、「大丈夫だから」と掠れた色気ある声が聞こえ、余計に身悶える。
もう無理と思えるほどに何度も波が寄せるような快楽に押し流され、意識を手放しそうになる手前で愛を注がれる。
「ああっ」
意識が朦朧とする中で、再び下腹部に違和感を覚える。
「あの」
ぼんやりとする視界の中、切なげに眉を寄せる海斗さんが汗を滴らせ言う。
「ダメだ。足りない」
過ぎ去った官能を再び与えられ、体は反応して熱くなる。
「やっ、だって今っ」
私の必死の訴えもなにもかもを奪い、快楽に溺れさせられていった。