独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい
〈茶会には、日本文化に初めて触れる人物も多い。私はたくさんの和菓子店を見て周り、和菓子の美しさに魅了されました〉
うっとりとして語る男性に、国を越えて和菓子の魅力がわかってもらえて嬉しくなっていると、ガッシリと両手を握られる。
〈あなたのように和菓子に熱意があり、語学も堪能な可憐な大和撫子が説明してくれれば、みんなが良さをわかってくれます〉
〈あの、その、まだ、私は見習いでして〉
〈見習いで、あの知識と気遣いは素晴らしい。絶対に正式採用をし、給料を上げるべきだ〉
力説する男性に「ふふっ」と思わず笑うと、〈日本人は金銭面の話をするのが苦手ですね〉と苦笑される。
男性には職人と相談したいので、日程と個数などの詳細を教えてもらえるようにお店のメールアドレスを伝え、連絡をくれるように頼んだ。