独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい
男性も名刺を置いていった。
プレビアス社 ジャパン
戦略コンサルタント マネージャー
リチャード フォスター
コンサルタントはどんな仕事をするのかよくわからないけれど、仕事関係で大きな茶会を開くというのだから、会社の規模が大きいのだというくらいは私でも感じ取れる。
お店を閉めたあとも職人である翼さんと、早速送られてきたリチャードさんからのメールを読んで今後の対応を話し合う。
茶会は千人規模のパーティー中のひとつのイベントとして行いたいと書かれており、あまりの大きさにふたりで顔を見合わせる。
そんな場で私の辿々しい説明をするだなんて、想像するだけで足がすくんでしまう。
リチャードさんからの英文メールを読み上げた内容を聞いていた翼さんも、渋い顔をしている。
「千人となると、用意する和菓子も相当な量がいるな。さすがにうちだけで、その数を用意するのは難しいね」
せっかくいただいたいいお話も、出来ないのに引き受けるわけにはいかない。
「こちらの要望もお伝えしよう。先立ってのパーティーについては、断るのが懸命だろうね」
「はい」