ねえ、私を見て
無邪気にパソコンを見て、喜ぶ彼。

自分が面接を通したみたいに思えて、その女の子を応援しているのだろう。

「相馬君、直ぐにチェックしてね。レスポンスのいいライターさんには、レスポンスよくしないと、他に行ってしまうから。」

「分かりました。」

そう言って日奈人君は、送られてきた文章を、細かにチェックしている。

彼は、仕事に集中している。

ちょっと関係を聞かれただけで、動揺している私とは違う。

「園子、そろそろライターさんに支払う報酬の締切だと思うんだけど。」

「ああ、そうね。」

園子は、カチカチッとマウスを使うと、私の元にメールを送ってきた。

「その一覧表で、報酬を支払って。」

「はい。」

すると日奈人君が、私のパソコンを覗いた。
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