ねえ、私を見て
「へえ、そうやって報酬を支払うんですね。」

覗き込んだ時に、彼の匂いがフワッと、香って来た。

思い出す。

日奈人君との、熱い夜を。

「そうなの。これは記事を書き終わった際に、記入して貰う事になっているの。」

「じゃあ、この女の子は残念だけど、来月の報酬になるんですね。」

「そうね。」

締切によっては、来月に回される案件もある。

ライターは執筆して終わりではない。

リンクや写真、文字の装飾までしなければならないのだ。

「相馬君。その子、直ぐに記事あがりそう?」

「ちょっと分かんないですね。」

「そう。レスポンスがいいから、仕上がりも速いと思っちゃった。そうね。まだ新人だもの。分かんないわよね。」

「はい。」

園子はその辺、臨機応変に対応するから、すごいと思う。
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