ねえ、私を見て
私はエレベータで屋上に向かった。

小さくて低いビルだけど、都会のオアシスみたいで、私は好き。

あっという間に屋上に着き、扉を襲うとした。

「くららさん。」

突然後ろから、抱きしめられた。

「……日奈人君?」

ちらっと振り返ると、日奈人君は目を瞑っていた。

「寂しくて来ちゃった。」

そんな言葉に、キュンとする。

私がいないと寂しいなんて、かわいい。

「ね、一緒にいていい?」

「うん。」

すると日奈人君は、私の手を繋いで、近くのベンチに座った。

「日奈人君は、お昼ご飯食べないの?」

「本当に仕事に熱中してたんだね。くららさんが仕事してる間に、食べちゃったよ。」

「えっ?」

そんなに熱中していた?

隣で日奈人君が、ランチしているのも気づかないだなんて。
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