ねえ、私を見て
「そういうところが、くららさんの凄いところなんだけどね。」

サァーッと気持ちいい風が吹く。

「でも、俺の行動には気づいてほしいな。」

日奈人君、うさぎみたい。

守ってあげたくなる。

「早く、お弁当食べなよ。」

「あっ、そうだった。」

急いでお弁当を広げ、食べ始めた。

もう30分も損しているんだから、早く食べ終わらないと。

そしてかき込むようにして食べて、ふぅーと息を吐いた。

「間に合った。」

お弁当の箱をバッグに入れて、立ち上がった。

「ねえ、くららさん。」

「なあに?」

「セックスしようか。」

日奈人君が、熱を帯びた目で見てくる。

「えっ?」

「エレベータの前にトイレあったでしょう?」

そう言うと日奈人君は、私の腕を掴み、あっという間にトイレに連れ込んだ。

「待って。お昼食べ終わったばかりで……」
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