ねえ、私を見て
「食欲を満たしたら、今度は性欲を満たしたくなるでしょ?」

私はカッとなって、お弁当箱で日奈人君を叩いた。

日奈人君の頬が赤くなっている。

「いい加減にして。」

私はトイレを抜け出すと、急いでエレベーターに乗って、オフィスに戻ってきた。

「くらら?」

園子に声を掛けられ、ハッとした。

「どうしたの?そんなに急いで。もっとゆっくりしてきてもよかったのに。」

私ははぁーっと大きなため息をついた。

「くらら、どうしたの?」

その時、日奈人君がオフィスに戻って来た。

「あっ、相馬君。午前中にやっていた仕事、終わった?」

「はい、社長。」

「実は、午後の仕事、明日に周っちゃって、やる事がないの。あなた、先にあがってくれる?」

「分かりました。」
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