ねえ、私を見て
日奈人君はカバンを持つと、「お疲れ様でした。」と、オフィスを出て行った。

しばらくして園子が、外を見ながら私に言った。

「相馬君、外に出たわよ。」

私はようやく、席に座る事ができた。

「何があったか、話てくれる?」

うんと、私は頷いた。

「……相馬君と、寝たの?」

「いつ?」

「歓迎会の夜よ。」

「そんな前に?」

私は顔に右手を置いた。

「付き合おうって言われたの。私も好きだから、それに応じた。でも、彼……私の事、セフレだと思ってたみたい。」

「そう。」

園子は私の近くに来てくれた。

「今の内に止めておきなさい。不倫じゃないの。」

「そうね。」

「旦那さんは気づいてないの?バレたら、一発で離婚よ。」

私の肩に重い物がのしかかった。
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