ひと夏の思い出 と 一生の思い出【完】
「社長、あの、相談があるんですけど……」
私は、金曜の終業時刻を狙って、社長室の社長に声を掛ける。
「ん? 実里、どうした?」
社長は、立ち上がってこちらに来る。
「いえ、あの、できれば、お酒でも飲みながら……」
緊張で声がうわずる。
乙女ゲームの女性たちは、さらっと男性を誘うのに、私はそれすらままならない。
「ああ、分かった。
これだけ片付けるから、そこで待ってろ」
社長は目の前の応接セットのソファーを指し示す。
「はい」
ソファーに腰を下ろしながら、私はほっと胸を撫で下ろした。
第一関門突破。
社長の仕事が終わるのを待ち、私たちは駅前のバーへと向かった。
みんなでいつも行く居酒屋ではなく。
「他の人に聞かれたくないので、いつもとは違うお店に……」
と私がお願いしたから。
私は、金曜の終業時刻を狙って、社長室の社長に声を掛ける。
「ん? 実里、どうした?」
社長は、立ち上がってこちらに来る。
「いえ、あの、できれば、お酒でも飲みながら……」
緊張で声がうわずる。
乙女ゲームの女性たちは、さらっと男性を誘うのに、私はそれすらままならない。
「ああ、分かった。
これだけ片付けるから、そこで待ってろ」
社長は目の前の応接セットのソファーを指し示す。
「はい」
ソファーに腰を下ろしながら、私はほっと胸を撫で下ろした。
第一関門突破。
社長の仕事が終わるのを待ち、私たちは駅前のバーへと向かった。
みんなでいつも行く居酒屋ではなく。
「他の人に聞かれたくないので、いつもとは違うお店に……」
と私がお願いしたから。