双子の異世界・奇跡の花束
ドクドクドク

嫌な心音が全身に響く。




「おとうさん、クルーガは・・」


「大丈夫だ、寝てるだけだ」


それを聞きミネルアは肩を撫で下ろす。

力が抜けてしゃがみ込んだ。


「よ・・良かった・・」


「あんまり良くないけどな。あと一歩遅かったらヤバかった」



団長が低い声で言う。

クルーガの顔を覗き込むと、青ざめて辛そうな表情で眠っていた。

ミネルアはあの時の光景を思い出し、じんわりと涙ぐんできた。



「クルーガ・・ごめん・・ごめんね」


「ミネルア、一体何が・・」


と団長が問いかけた時、レシオンが地面に額をつけ土下座した。


「申し訳ない!!!」


「え?」


「ちょっ!レシオン様!?」


まさか帝国の皇子が土下座するなんて誰が想像できようか。

シャックスは慌てふためいた。


「あなたはこの国の皇子なんですよ!!何をやってんですか!」


「黙れシャックス!これは俺の弟の失態だ。お前も土下座しろ!!」


「うぐっ」


それを聞きシャックスはピタリと黙った。



「・・どういう事ですか?」


団長は静かに聞いた。

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