双子の異世界・奇跡の花束
「ミネルアの話によると、街に向かう途中の二人を私の弟の配下が襲ったと」


「・・なんでだ?」


王族が言うべき事ではない。シャックスは拳を握りしめたが、レシオンはもっと悔しそうにしていた。


「私の弟がミネルアに逢いたかったそうですが、拒んだため・・」


「それだけじゃねえだろ!?」


「・・・!」



団長にはどうやらお見通しだった様だ。



「ええ、私の事を嫌う弟は・・私を陥れる為にミネルアを捕らえた」


「どうなってんだ!それが平民を護る王族のやる事か!」



ガシャンッ!

団長が荒ぶって近くにあったコップを頬り投げた。



「お、おとうさん・・」



凄い形相で怒っている。

可愛い娘を攫われ、団員も死にかけた。

黙ってられるわけがなかった。



「すみません。おとうさん・・」


「お前におとうさんなんて呼ばれる筋合いはねえ!!」


ミネルアは心の中で突っ込んでしまった。



_いや、そこじゃなくて。レシオンは真面目に謝ってるだけなのに・・



昨夜は自分が犯罪級の事をしでかしているのに。

そんなことはどうも思ってはいない様だ。


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