双子の異世界・奇跡の花束
団長は戸惑って目を泳がせているミネルアに聞いた。


「で。ミネルアは皇子をどう思ってる?昨日だって、ヴォルスの反対を押し切ってパーティーに行ったんだろう?」


「あ・・えと・・そうなんだけど」



違う理由があるが、レシオンの事は信頼していたのは本当だ。



「そうだったんだな。嬉しい」



レシオンは素直に喜んだ。

単に書物庫に行きたかっただけではない。

確かにレシオンにも逢いたかった。

今の様にふんわりと自分に向けてくれる陽だまりの様な笑顔に癒されたかった。



「認めたくねぇが・・・お前が皇子を好きなんだったら・・仕方ねえけど」


と団長に言われ、よぎるのはヴォルスの顔だった。










『好きだ』


ヴォルスの声を鮮明に思い出す。

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