双子の異世界・奇跡の花束
「ミネルアに王族の書物庫を見せる約束をしたので、それだけは果たせてください」


「何?書物庫?」



ドキンッ


これは団長にも内緒の事だ。


「ミネルアは本が好きらしいので、地理系のもっと詳しい本が知りたいと」


ドキドキドキ・・


当たり前だが団長には一度も言った事がない。


「へえ・・そうだったんだな。何も知らなかった」


「なので一度ミネルアを城へ招きたいのですが・・・」


「でもあぶねえ弟がいるんだろう?」


「それは・・私とこのシャックスが付いていれば大丈夫かと。表面上では仲がいい兄弟なんです」



ニコリ。


とレシオンは笑ったが、旅団の全員は青ざめる。


_後継者争いって大変だな・・・




「そうか・・ミネルアは行きてえのか?危険だぞ?おとうさんは反対だが」


「行きたいです」


即答だった。


_何がなんでもそこには行ってみたい。ヴォルスとあんなに喧嘩してまで行きたかったんだもん・・・



「ハハ。わかった。血は繋がってねえが頑固は俺譲りかもしれねえな」


「おとうさん・・」


頭をぐしゃっと撫でられた。

おおざっぱな撫で方だったが、心地よかった。

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