双子の異世界・奇跡の花束
「レシオン・・・」


「ん?」


「ありがとう」


ミネルアは本を数ページ読むと、笑顔で言った。


「これが読みたかったの」


まるでおとぎ話の様な賢者録。この世界の人間からすればバカバカしい現実味のない小説の様な本だ。


何かを我慢している様な無理に作った笑顔のミネルア。


レシオンにはとてつもなく切なく映った。


_一体お前は・・・


と思った時には、レシオンはミネルアを抱き寄せていた。

体が勝手に動いていた。
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