双子の異世界・奇跡の花束
「レシ・・」


「まるであの時みたいな顔してるんだ」


「え?」


「あの時の・・迷子のお前の」



ドクン・・・



_そうだ、私は今でも迷子だ。帰りたいのに帰れない、半分諦めたりもした。
でも諦めたくなかった。諦めたらそこで何もかも終わってしまうじゃない。
いつかお父様もお母様もみんな、本当に夢になってしまう





「ふぇ・・」


一気に感情の波が襲ってきた。


涙が溢れてレシオンの服を侵食していく。


「ぇ・・ぇえ・・くっ・・うぅ」



レシオンは黙って抱きしめる。


ミネルアはレシオンの胸の中で、子供の様に泣いた。


解放されたようなそんな感覚だった。

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