双子の異世界・奇跡の花束
暴れる気持ちを必死に抑え、平静を装って聞いた。


「どうしたい?」


「え・・」


「これからお前はどうしたいんだ?」


「私・・私は・・・」



_この賢者様に会いたい。会って話を聞きたい。けど・・どこにいるのかすらわからない



ミネルアは目を閉じ深呼吸して心を落ち着かせた。



「帰ります。テントに。皆のご飯作らないと」


「そうか」


「レシオン、本当にありがとう。これだけでも十分よ」



ミネルアは自分から部屋を出る。



「凄く、嬉しかった・・私を認めてくれた様に思えました」


「・・・・俺は」


「この世界の人なのに。私ずっと、バレたら殺されるって思ってたから・・」


「ミネルア」


「凄く・・嬉しかった」


俯き儚げに笑う。草原に咲く小さな名もない花みたいだ。



_強いな。お前は。女だったらもっと男を頼ればいいのに



「ありがとう」



_もっと俺を頼って欲しいのに・・



レシオンは拳を握りしめる。


「・・送ろう」


「はい」

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