双子の異世界・奇跡の花束
ガシッ!!!


いきなり裏から大きな手で肩を掴まれた。


「いやあああぁっ!!!」



_死にたくない!いやだ!!



最後の断末魔の様な叫びでミネルアは声を荒らげた。



「いててっ・・俺だ・・おいっ!ひっかくな!!」


「いやっ!やだああ!!」



そう言ってミネルアを抱き上げたのは団長だった。



「あ・・ぁ・・いや・・いやだ・・」


「ごめんな。怖かっただろ」



今でも怖い。

あの優しかった父の様な存在でさえも。

恐怖しか感じない。


「おねが・・いや・・・」



怖くて声も出ず、もう駄目なんだと震える。



「ミネルア」


「いやだ・・死にたくない・・」



まるで自分以外は違う生き物に見えるのだ。



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