双子の異世界・奇跡の花束
数分後ようやく体が落ち着き、震えもなくなった。


「落ち着いたか」


「・・・っ・・ぐすっ」


「俺がなんとかする。あいつらに嘘でもなんでも言ってよ」


「・・・もう、無理だよ。戻れないよ・・」


「そんな事ねえよ」


「怖いの・・みんなの目が・・私を見る目が」


「クルーガのやつをクビにでもすりゃいい。あいつが駄目なんだ。わざわざ大騒ぎしやがって」


「ううん・・わたしのせいなの」


「ミネルア」


「今回の件は絶対にレシオンはやってない」


「え・・」


「弟のルシオネスがやったんだ」


「・・・そりゃホントか」



団長の腕をつかむ細い指に力が入った。



「クルーガは・・私を助けようと敵に立ち向かって・・それであんな目にあってしまった。死にかけたのよ。恐ろしかったに決まってる・・。
だから私のせいなの」


「・・」


「私は攫われた後、ルシオネスに殺されそうになって・・それをレシオンが助けてくれたの」


「ああ、後継者争いだな?クソがッ」


「絶対にレシオンはあんな事しない。私は信じてる。・・でも皆を巻き込んでしまった・・」



言葉が重くのしかかる。

自分に。
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