双子の異世界・奇跡の花束
「わ、わかったよ。だけど・・バレんの時間の問題だろ」


「バレない様にしろ。絶対だ」


「・・なんなんだよ。あー痛って~」


クルーガは掴まれた胸ぐらをさすりながらしゃがみ込む。


「ミネルア」


ビクッ


ヴォルスに呼ばれ、木の後ろからのぞく。


「死にたくなかったら来い」


「ひっ・・・」


その言葉に恐れおののく。



「いや、言葉が悪かった」



そう言ってヴォルスはミネルアに手を差し伸べた。



「帰りたかったら来い。俺が家に帰してやる」



ミネルアは困惑する。


本当にこの人を信じていいのだろうか?本当に帰してくれるのだろうか?
さっきの男みたいに売る気なんじゃないのだろうか?と。



怯えて木にしがみついたままヴォルスを見つめる。


「・・・」


「俺が守ってやるから」


そう言って小さなミネルアをひょいと持ち上げた。



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