双子の異世界・奇跡の花束
「団長!!ミネルアは!!」


すぐにヴォルスは団長の元へ駆けつけた。


「・・出て行った」


「な・・なんでだよ!団長だったら止められただろ!?」


「・・・駄目だった」


ヴォルスの息が荒い。

獣の様にフーフーと。



「探しに行く!」


「見つからねえよ。めちゃくちゃ足早かったぞ」


「それでも!!」


「駄目だ。だって、お前の事も信用してねえよ」


「!?」


クルーガがミネルアに話していた言葉を団長は聞き逃さなかった。



「俺が・・ミネルアを殺すとでも言うんですか」


「・・あいつはそう思ってるかも」


「クソっ!クルーガてめええ!!」



パンッ!



「やめよう」



手を鳴らし、誰かが言った。



「身内争いはやめよう。無駄だよ」



旅団員ではない男が。


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