双子の異世界・奇跡の花束
「姫様が保護されてこの旅団で大切にされてきたって聞いて、ほっとして来てみれば・・・」


ドキッ


クルーガは俯いた。



「こちらでも色々あったらしいね」



続いて団員達も俯いた。



「姫様は出て行ったそうだから、俺は追うしかない。失礼しました」


ゼノはそう言ってテントを出ていく。


ヴォルスはすぐに追いかけた。


「待ってくれ、俺も行く!」


「ここの団員なんだろう?」


「ミネルアは・・俺が帰してやるって言ったんだ。8年前にあいつに誓ったんだよ!」


「そうなんだ?」



ヴォルスのまっすぐな瞳に、ゼノは嬉しそうに笑った。


「姫様を助けてくれてありがとうな」


「あ、ああ」

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