双子の異世界・奇跡の花束
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

テントにゼノがいるなんて思いもよらないミネルア。

とにかく街へ向かい、馬を借りようと宿舎に来ていた。


「え?お嬢ちゃん独りで行くの?」


宿舎のおじさんは目を丸く見開いてミネルアを見た。


どう見ても10代のか弱い少女。

その少女が独りで遠出するから馬を貸してくれと言う。


「で、どこ行くの?」


「えっと・・・」



正直あてはない。だが行ってみたい所が一つだけあった。



「ルミーユ王国です」


「ええ・・遠いよ?しかも雪国だし・・その恰好じゃ死んじゃうよ?」


「・・・だ、大丈夫です!お金はあるんです。服も近くの街で買いそろえます」


「すごい勇気だねえ」


「・・行かなくちゃいけないんです」



ルミーユ王国は、母エレノアの祖国ユミールと同じ場所。

何かしらの手がかりがあるかもしれないと思った。

あの日、祖母の墓参りに行っていたからだ。


_賢者様がどこにいるのかなんてきっとこの世界の人は誰も知らない。だから自分で探さなきゃ・・



決意は固かった。
< 146 / 288 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop