双子の異世界・奇跡の花束
雪に強い馬を一頭借りる。


「この馬なら雪でも大丈夫。見てみ、足に分厚い毛が生えてるだろう」


「本当だ・・」


「ブフン」


凄いだろうと自慢してきた様に馬は鳴いた。


「でも、スタミナがあんまりないからちゃんと定期的に休ませてやりなよ」


「はい」


「・・ていうかさ、今夜は泊っていったいった方がいいよ。月も出てないし、方向もわかりずらい」


「・・でも」


「おじさん、心配だよ。夜は物取りとか出るっているし」


「あ・・」



確かに夜は危険だ。

テントにいた時も交替で旅団の皆が見張りをしてくれていた。



「見たところ、初めての旅っていう感じにしか見えないよ。何も持ってないし」


「う゛・・・」


バレバレだ。

おじさんにはきっと自殺でもしにいくのだろうと思われてそうだった。



「じゃ、じゃあ・・明日の朝に出発します。一晩泊めてもらえますか?」


「ああ!そうしなよ!そうじゃないとおじさんもお嬢ちゃんの事が気になって眠れないよ」


「あ・・アハ・・はい」


従った方がいいと思った。

宿舎のおじさんは自分よりも何倍も経験豊富だろう。




_明日・・明日から本番


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