双子の異世界・奇跡の花束
客室に入ると、ゼノは辺りを見回した。


「他に誰もいませんね?」


「ああ。今は誰も使ってないが」


「・・そうですか。気配を感じるもので・・」


「え・・」



ゼノはそう言って天井辺りを見る。

じーーーーーー。



「ここに、ネズミがいるみたいですよ」


「え゛!?」



と、レシオンとシャックスが天井を確認しようとした時、衣擦れの音が一度したかと思うと気配は消えた。



「・・・ザンかな」


「・・ありえますね」



弟の側近ザン。

年齢不詳、人をいたぶる事が好きだという噂を聞いている。

話を聞きに来たか、レシオンの命を狙っているのか。



「どこの王族も、後継者は大変ですね」


ニコリ。

とゼノは言った。



_この男・・・何モノ!?




二人は眉をしかめた。


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