双子の異世界・奇跡の花束
「まさかルシオネスに捕まったなんてないだろうな」


レシオンは旅団の件もありそんな不安が脳裏によぎる。


「今旅団の者達も街などを探しています。もし協力してくださるならありがたいですが」



とゼノが言うとシャックスが声を荒らげた。



「ちょっと待ってください。レシオン様、この男を信じるのですか?正直胡散臭すぎますよ」



本人の前でシャックスは堂々と言った。



「敵か味方かわからないのに」


「まあ、そう思うのが普通でしょうね」


「知ったかぶりを!」


「俺も同じ立場なんでわかりますよ」


「はあ?」



ゼノはクスリと笑うと立ち上がった。



「信じる信じないは別にいいです。ここに居ない事はわかりましたから」


「や、やっぱり無礼なやつ!」


「でも、俺は絶対に見つける。助け出す。姫様と元の世界に帰ります」


「!!」


ゼノの芯のある言葉がレシオンを突き動かす。

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