双子の異世界・奇跡の花束
「ヴォルス・・」


ドキン


ミネルアに初めて必要とされ、ヴォルスは少し驚いた。

同時にミネルアの目がとても澄んでいた。一瞬だが美しい瞳に魅入ってしまった。


「なんだ?」


「このおじさん、怖い・・」


「ええ!?わりかしショックなんだけど!?」


「ぷ・・フフ」



ヴォルスは相当ショックを受けている団長の顔がツボだった。

思わず吹き出したヴォルスにクルーガが茶々を入れる。


「うわ、ヴォルスが笑ってるキモイぜ」


「クルーガ、黙れ」


ミネルアはゆっくりと下ろされると、改めておじさんに握手をされた。

おじさんはしゃがんで下からミネルアに笑顔を向けた。

「俺はこの旅団の団長をやってる。よろしくな。それにごめんな、いきなり抱き上げて。実は俺の娘、二年前に病気で死んじまって・・娘と重ねちゃったんだ」


「そう・・なの」


切なげに笑う団長をミネルアは7歳なりに気遣った。


「おじさん、私・・代わりにはなれないけど・・帰れるまでここに居てもいいですか?」


ズズズズキューン☆


潤んだ瞳で見つめられ、団長は胸が高鳴った。


「もちろんだ!もう、おとうさんと呼んで!もう絶対呼んで欲しい~」

「・・・えと」



困り果て、ちらりとヴォルスとクルーガを見ると楽しそうに笑っていた。

クルーガは腹を抱え爆笑している。


「大丈夫だ。おじさんで」

「いいおじさんだよ。安心しろ」


と2人。

ミネルアはぺこりと頭を下げた。

「よろしくお願いします。おじさん」


「くっ・・お前ら許さんぜよ」




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