双子の異世界・奇跡の花束
ガササッ

と大きな音がした。


「だ、誰?」


腰に挿していた短剣を抜く。


「・・・」


ジッと静かに構えていると、また草をかき分ける音がした。


ガササッ

ガサ・・



「なんだぁ?女?」


「女?」


「嘘ー?」



_!!!



ミネルアは硬直する。


熊の毛皮を羽織った男たちが、前から横から木の上から現れたのだ。


その数10名ほど。



「マジで女だ」


ドキン


_どうしよう・・山賊!?



「なあ、なんでこんな山にいるんだ?」


「自殺願望者かい?」


ドキン


「と、通してください」


「うひょ。声も可愛いぜぇ」



_怖い!怖い・・



ジリジリと震える体。

短剣まで伝う。



「震えてるぜ」


「可愛そうになあ・・誰かがあっためてやらねえと」


「俺!俺がいい!」



男たちは楽しそうにしている。

旅団員達とは明らかに雰囲気が違う。

獲物を取ってギリギリで生活している感じが漂う。

身に着けているものが、熊や狼、兎などの毛皮で全部出来ているからだ。



_この人たちもマナを使うの?


ドキン


大きく脈打つ。

自分が斬りかかったら、マナを使ってくるのだろうか?


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