双子の異世界・奇跡の花束
「流石、一人で森に入る勇気を持ってるだけあるな」


「・・・」


男は手を構える。


_マナ!?



ダッ!!!


_ごめん馬さん!!!



ミネルアは馬を置いて、奥の方へ猛ダッシュした。


「待てえええ!!」


5人程足に自信がある奴が追いかけてきた。

残りの山賊たちは馬の所で待つ様だ。



「はっはっ・・はぁっ・・ヴォルス・・」



脳裏にヴォルスが浮かぶ。

ヴォルスや団長達と過ごした日々が。


ザワザワ・・・シュルルッ!

と聞いたことのない音が聞こえた。


「きゃあっ!!!」


草がミネルアの足に巻き付いた。

男たちは距離的にだいぶ遠かったが、マナの力だと確信する。

ミネルアはその場で倒れた。



「うっ・・・」


「追いかけっこはもうおしまいかな~?」


「ひ・・」


余裕ぶった汚い顔が近づく。


「くっ!」


蹴りを入れようとしたが、簡単に抑えられた。


「悪い子にはお仕置きしないとね」


「やっ!」


ビリビリッ

という服を引き裂く音。



_ヴォルス助けて!ヴォルスヴォルスヴォルス!!!!



「いやだああぁっ!!!」


目を瞑り必死の抵抗をした。

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