双子の異世界・奇跡の花束
ヴォルスは引き裂かれたミネルアの服を見て、自分が羽織っていた上着をかぶせる。


「皆、待ってる。行こう」


「・・・え?」


_皆?



そう言ってヴォルスはミネルアを抱き上げた。


「ヴォルス」


「ん?」


ぎゅっ

とミネルアはヴォルスを抱きしめる。




「ごめんなさい。私バレたの・・もう駄目なの・・」


「・・大丈夫だ」


「でも・・でも・・」


「大丈夫。俺を信じろ」


見上げると、ヴォルスは笑っていた。

とても優しく。真っ白い月みたいな穏やかな笑顔だ。

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