双子の異世界・奇跡の花束
この世界の人々は、マナと呼ばれる力を生まれた時から身につけている。
ある者は炎を操り、ある者は水を操る。
人それぞれ能力が異なる。
この力は血筋が関係しているので、代々家系によって受け継がれていくのが基本だ。
だがその中でも、自然体質と呼ばれる火や水に対し、まれに特異体質の力を備わっている者も中にはいるらしい。
「力を持っていないという事は絶対に内緒だ。いいな?」
ミネルアは団長に会う前に、ヴォルスからこれを頭に叩き込まれた。
この世界で生きていくには、力を持っていないミネルアは最も特殊な存在として扱われるだろう。
もしその事がバレたらミネルアの命はない。
ヴォルスはそう何度もミネルアに教え込んだ。
「何故命を狙われるの?」
「この世界には存在してはいけないからだ」
「・・・」
「とにかく、俺の言った通りにすればいい。そうすればいつか帰れる。正直・・保証はないけど」
「・・・うん。わかった」
信じても信じなくても、とにかくミネルアは従うしかない。
知らない世界、知らない場所、一人ではとうてい生きていける気がしなかった。
「ここはなんていう国?」
「デルファンだ」
それを聞いたきりミネルアは黙った。
まるで目の前が真っ暗に染まった様な感覚になった。
知らない場所、知らない人達。ヴォルスに助けられたのは奇跡に近い。
_本当に・・これは夢じゃないんだね。
ヴォルスを見つめながらそう思った。
ある者は炎を操り、ある者は水を操る。
人それぞれ能力が異なる。
この力は血筋が関係しているので、代々家系によって受け継がれていくのが基本だ。
だがその中でも、自然体質と呼ばれる火や水に対し、まれに特異体質の力を備わっている者も中にはいるらしい。
「力を持っていないという事は絶対に内緒だ。いいな?」
ミネルアは団長に会う前に、ヴォルスからこれを頭に叩き込まれた。
この世界で生きていくには、力を持っていないミネルアは最も特殊な存在として扱われるだろう。
もしその事がバレたらミネルアの命はない。
ヴォルスはそう何度もミネルアに教え込んだ。
「何故命を狙われるの?」
「この世界には存在してはいけないからだ」
「・・・」
「とにかく、俺の言った通りにすればいい。そうすればいつか帰れる。正直・・保証はないけど」
「・・・うん。わかった」
信じても信じなくても、とにかくミネルアは従うしかない。
知らない世界、知らない場所、一人ではとうてい生きていける気がしなかった。
「ここはなんていう国?」
「デルファンだ」
それを聞いたきりミネルアは黙った。
まるで目の前が真っ暗に染まった様な感覚になった。
知らない場所、知らない人達。ヴォルスに助けられたのは奇跡に近い。
_本当に・・これは夢じゃないんだね。
ヴォルスを見つめながらそう思った。