双子の異世界・奇跡の花束
そしてゼノはレシオンにこう告げる。


「レシオン皇子。貴方はお引き取りください」


ぴしゃり。と言われ、レシオンは雷に打たれた感覚に陥った。


「なっ・・」


シャックスがすぐに反論しようとしたが、ゼノはそれに被せるように口を開く。


「貴方はルアードの皇子。後継者です。今も弟に命を狙われている可能性がある」


「・・・」


「正直、我々が帰るのに面倒な事は巻き込まれたくない」


「ぶっ無礼な!!」



レシオンは血圧が急上昇のシャックスを手で遮った。


「確かに・・この間の件もある。弟が刺客を送ってくるかもしれない」


「レシオン様ぁ・・」


レシオンのもう片方の手は強く握られていた。

そして悔しさでぶるぶると震えている。


「俺を狙って・・皆も巻き込まれる可能性がある」


「ええ。その通りです」


ゼノは冷静に頷く。


「ミネルアを・・危険な目に合わせる事は・・・出来ない」


「レシオン・・」


ミネルアはレシオンに駆け寄った。


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