双子の異世界・奇跡の花束
レシオンの震える手を握った。


「危険なのにこんなところにまで来てくれて・・私もレシオンに迷惑をかけたくなかった、だから一人で来たの」


「ミネルア」


「ごめんね。沢山・・沢山・・ありがとう」


「ん・・」



レシオンは目がしらが熱くなり、それを拒むように顔を逸らした。


「俺も、力になりたいと思ったんだ・・自分の意思でここに来た」



_本当は、もとの世界にも帰したくない。ずっと一緒にいて欲しいんだ!!!



心の中で叫び続ける。


「でも、お前の一番の幸せがあっちにあるんなら。俺もそれが幸せだ」


ニコリと笑う。でも上手くいかない。

完全なるやせ我慢だ。

必死に自分を押し殺した。



「ありがとう・・レシオン」



ミネルアは自分からレシオンを抱きしめた。



_私に恋を教えてくれたのはあなただ・・



< 196 / 288 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop