双子の異世界・奇跡の花束
「あれ?おとうさんヴォルスは?」


ヴォルスの姿が見当たらなかった。


「お?さっきまでここに居たんだけど?」


するとクルーガが茶化したように笑った。


「あいつ、ミネルアがレシオン皇子に優しくしてたから拗ねてるんじゃね?」



ドッ!!ハハハ・・・

周りにいた皆が楽しそうに笑った。



「そうかもな、あいつすぐ機嫌悪くなるし」


「ミネルアの事、一番考えてるもんな」


「そうだなー」


とニヤニヤしている。



「ま、まさか皆!酷いよ!ヴォルスだっていい大人だよ?拗ねるとか」


「まあそのうち出てくるだろうし、待ってようぜ」


「もうクルーガったら・・あ、皆もこの町に泊まるんだよね?宿はどうするの?」



そう投げかけると団長が皆に言う。


「俺達はテントで十分なんだけどな」


「ええ~~今日くらいは泊りましょうよ団長!」


「そうですよー急いでテントたたんでここまで来たし、今日は宿にしましょうよ」


「う、うーん・・でもこんな大所帯泊まれる所あるかな」


「何とかなりますって!」


「仕方ねぇな」



ガシガシと自分の頭をかき、団長はゼノに言った。


「ゼノ、今日は無事ミネルアも見つかった事だし、盃でもかわそうぜ。二人の再開にも乾杯したいしよぅ」


「・・ま、今日くらいはいいか」


「よっしゃ!」


旅団達は全員で同じガッツポーズを決めこんだ。

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